株式会社 チャンピオンカレー

専門店の誇りを胸に本物を提供 創業から変わらぬ思いを守り、世界品質へ

南 政広さん[代表取締役社長]


高品質と速さの両立 専門特化で可能性をひらく

現在当社は、米国の飲食分類でいうクイックカジュアルの日本版オリジナル確立を目指しています。高いクオリティとスピードを共に兼ね備えた、まだ新タイプの業態です。
「金沢カレー」という言葉がここ数年一気に全国区になりましたが、むしろ金沢カレーの名が、いわばガテン系よりの安かろうのイメージに色付けされたのではと危惧しています。これからの市場では、安かろうは必要とされません。むしろ精神的なポリシーをしっかり持ち、消費者がブランド価値を感じる所だけが生き残る時代になるでしょう。
昨今話題になった新価値サービスに、俺のイタリアンという系列店等があります。ファインダイニングからファインカジュアルへと降りてきて、日本市場にインパクトを与えました。画期的なサービスですが、居並ぶミシュランシェフが示す通り、個人の能力が極めて高くないと成り立ちません。これに対し我々は、誰でもが展開できるシステムを目指します。
クイックカジュアル成立のポイントは専門特化です。高品質と速さの両立は、専門特化が無ければ実現し得ません。本当の意味のクイックカジュアルを展開できる可能性を、日本の中では我々も持っていると考え、夢に挑戦しています。

違いに気付き始めた消費者に本物の価値を提供したい

先代の田中吉和は、本物を追求し、ある意味で既にクイックカジュアルの実現を目指した人物でした。弊社が50年間やってこられた最大の要因は、創業者の個性的な経営が一線を画していたからとも言えます。ただ、根っからの職人で寡黙でしたから、自分の思いを人に話しませんでした。それを私がなんとかある程度汲み取り、運営オペレーションへと整理構築したことで現状があります。経営を引き継いだ私が果たすべき役割は、会長の経営センスを翻訳して表現することだと考えています。
会長が立ち上げた個人経営を、小さな会社組織へと形作り、従業員の社会制度を整えて、今後はその組織を機能的に動かせるようにする段階に向かいます。それを担ってくれる常務への事業継承は早いほうがいいだろうと考えています。
白山市の工場新設時は、会長がまだ存命でした。車いすで見学し、嬉しそうに次々に質問をかけ、稼働前の寒い工場をなかなか離れようとしなかった姿が強く印象に残っています。その工場も、今は世界基準のSGS-HACCP取得に歩み始めています。食材は品質にこだわり抜いた仕入れ先をパートナーとして選んでいます。
会長が目指した「本物でありたい」という思いを企業ポリシーの根幹に据えていけば、消費者が違いに気付く時が来ます。そうなった時、ずっと息の長い企業になるでしょう。チャンピオンカレーとして世の中に貢献し喜ばれることで、店に関わった人たちにも幸せでいてほしい。それを素直にやっていこうと思っています。

株式会社 チャンピオンカレー

■ 住所/〒921-8811 石川県野々市市高橋町20-17
■ TEL/076-248-9558
■ 代表者/南 政広
■ 創業/昭和36(1961)年
■ 法人化/平成3(1991)年

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります