有限会社 梅屋

和菓子の繊細さと違いがわかる商品づくり
いい材料とできたての美味しさへのこだわり

宮川 雅州さん[専務取締役]


100年の歴史を重ねた老舗の看板商品は「黒糖まんじゅう」と上生菓子

「一に原料、二に技術、三、四がなくて五につくる人の心を大切に」。大正4年、この言葉を座右の銘に初代常五郎が創業し、昨年100年を迎えました。創業当時は御祓川沿いに店舗を構えていましたが、昭和元年に現在地へ移転しました。父が三代目社長で、私は四代目になります。本店の他に七尾市内にテナントが2店舗あります。
当店一番人気は「黒糖まんじゅう」です。豆あめも目玉商品で、上生菓子にも力を入れています。最近では特に材料・できたてにこだわってお菓子をつくっています。食べていただければわかりますが、美味しさが全然違います。将来は、その日につくった分すべてがその日に売れるような人気のある商品をもっと増やしていきたいと考えています。
100年続いてきた伝統、技術を私も含めた職人は受け継いできています。お互いの技術を活かし、良いものは続け、皆でもっと良くするための知恵を出し合っています。

人を感動させたいとの思いでもっと美味しい味に挑戦

年々、行事や冠婚葬祭での和菓子の需要が減り、今ではいろいろなところで和菓子を売っている状況から、和菓子屋は減少しています。だからこそ「味にこだわり、美味しいものをつくる」、「お客様を大事にすること」を大切にしています。夢は「食べた人を感動させる和菓子」づくりです。洋菓子のようにバターや乳製品を入れると味覚は美味しいと感じますが、安易に使用はせず、和菓子の良さである「繊細さ」を伝えたいと思います。
現在は事業拡大よりも、お客様が食べた時に今までの和菓子とはちょっと違うな、美味しいなと言ってもらえるものをつくることが目標です。学生時代にアルバイト代で食べ歩きをしましたが、本当に感動したものは一握りでした。そのときに食べ物で人を感動させることの難しさを感じ、今もその思いは変わりません。和菓子にも流行がありますが、昔ながらの伝統・技法にこだわってつくっています。ただ甘さは現代に合わせて控えめにしています。
私は、若い人にもっと食べてもらえて、美味しいといわれるものをつくっていかないと、和菓子はなくなってしまうのではないかと危惧しています。同じ商品でも、これは梅屋の和菓子だと他店との違いがわかるものでなければならないと思います。昔はつくっただけ売れたと聞きますが、今は違います。誰が食べても美味しいと感じることはもちろんですが、違いがわかる商品をつくらなければ、お客様は離れていってしまいます。現在、お菓子と絡めたイベントや展示もやっています。100年を超える老舗といっても知名度はまだまだと思っています。味を確立させて、今後も「良いものは残し、皆で改善を重ね、お客様に喜んでもらえる店づくり」に取り組んでいきます。

有限会社 梅屋

〒926-0042 石川県七尾市作事町1
TEL.0767-53-0787 FAX.0767-53-5202
■代表者/宮川 晴行
■創業/大正4(1915)年
■業務内容/和菓子製造・販売

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります