なかむら菓子店

「父から受け継いだお店と味を守ります」
その日の作りたて和菓子・生菓子を提供

中村 辰男さん[代表]


自家製かきもちとみかん大福が大変好評

昭和34年に和洋生菓子専門店として開業し、58年が経ちました。父が独立創業し、私で2代目です。現在は、和菓子・生菓子を主に、「その日の作りたて」をご提供しております。
お勧めは、根強い人気の「自家製かきもち」と、みかんを丸ごと1個包んだ「みかん大福」です。この大福は、餡とみかんの甘さを絶妙のバランスにしており、大変ご好評を頂いております。
私は高校卒業後、酒卸問屋へ就職しました。お菓子とお酒を一緒に売りたいと父が考えていたからです。その父が私の20歳の時に亡くなりました。通夜の当日、母親から「お菓子屋を継ぐ気はあるのか」と問われ、「継ぐ」と答えました。嫌と言えない状況で聞いてくるのですから、母も相当思案したのでしょう。あの場で継ぐと言わなかったら、今の私はなかったと思います。それまで、店の手伝いといえば父の炊いた餡子を運ぶくらいで、お菓子の知識はほとんどなく、お店の職人さんや、仕入業者さんに習いながら少しずつ学んで多くの人に助けて頂きました。

和菓子の伝統文化を守りながら時代の変化に挑戦する

石川県は和菓子・生菓子屋が多いところです。昔は、五色生菓子が定番商品で、冠婚葬祭や成人式には饅頭を使ったり、嫁いだ先に柏餅・菱餅を持って行くのが当たり前でしたが、今では減ってしまいました。時代とともに習慣や生活スタイルが変わってきたからでしょう。お客様が求めるものを作るため、お菓子の甘さを抑える工夫をしたり、素材にイチゴやミカンを使うなど時代にマッチしたお菓子作りに挑戦しています。また、店頭での実演販売用に新たな名物を作ろうと考えています。
現在、石川県菓子工業組合の一員であり、組合では常務理事を務めさせて頂いています。組合では出張和菓子作り体験教室や、花嫁のれん列車内での和菓子作り体験などを催し、石川のお菓子を発信するために取り組んでいます。今後の和菓子業界として、何か金沢から発信できるものが作れないか、一つのきっかけで広げていきたい、と思っています。
中学・高校とバトミントン部だったことが縁で、地元の公民館から指導を依頼されたり、高校時代の部活動体験談を高校で講演させて頂いたりしています。地元の中学校へは職人塾でお伺いしたり、小学校へはお菓子作りに出向いております。組合では青年部時代の仲間や、業界を超えた洋菓子職人の仲間と共に切磋琢磨しております。なにより、ごひいきにしてくださるお客様が大勢いらっしゃいます。その期待にお応えするようこれからも努力してまいります。

なかむら菓子店

■ 住所/〒920-0935 石川県金沢市小立野3-3-23
■ TEL/076-254-1406
■ 代表者/中村 辰男
■ 創業/昭和34(1959)年
■ 業務内容/和菓子製造業

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります