株式会社 慶塚漆器工房

顧客満足度100%を目指す商品作り。国産漆にこだわる信頼のブランド

慶塚 大さん[代表取締役]


ブランドの始まりは行商から

創業は、大正8年、先々代が漆器業を興し私で3代目になります。先々代は、20歳前後で漆器業を始め、売り先は、関西、有馬温泉、白浜、箱根、関東近郊の料亭や旅館が主でした。その後、先代になって多少旅館や料亭が変わってきました。
創業当初は、見本を荷物の中に入れて担いで持って行くいわゆる行商で、輪島から七尾まで船で移動し、それからは汽車で各地へ訪問販売を行っていました。先々代から今日まで、当地輪島の中での1番を目指して、全て自分の目が届く範囲で製造を行ってきました。それが今日の当社の信頼ブランド=慶塚ブランドに繋がっているのだと思っています。
基本は、創業以来「自分の目にかなった商品を出していく」という姿勢でこれまで臨んできており、何とか皆様の期待に応えられるようになってきているのかなと思っています。
当工房の特徴といえば、先々代からずっと国産漆にこだわってきているところが他社さんとの一番の違いだと思っています。国産漆の良さは、中国産と比べて、丈夫さ、落ち着き、馴染み、光沢が違います。綺麗に作るだけがベストではなく、光沢や強度も大事になり、価格も高くなりますが、お客様には納得をして買ってもらっています。

真心を込め品質第一の商品作り

当社の基本姿勢は、「真心を込めて作る」、「品質第一」、「エンドユーザーに喜んでいただけるものを作る」です。在庫の商品を売るのではなく、注文を受けた商品を作るのが仕事なので、お客様の満足度を上げていくのが大事だと思っています。
注文が売上全体の7〜8割を占めており、その注文された方々の品質と価格に対する満足度をいかにして100%に近づけるかが大事だと考えています。
お客様は輪島塗を知れば知るほど自分しか持っていない物にこだわるようになってきます。その人だけのものを作るので時間はかかります。どうすればお客様の期待に応えられる商品を作ることができるか。注文を受けて製作している間も、どのように仕上がるかなと、少し不安な気持ちを抱いて作業に当たっています。そして、完成してお客様から「思った通りだ」「本当に良いのに仕上がったな」と喜びや満足の言葉をいただいたときが、作り手としての喜びを実感するときです。
今後の展開は、地道ですけれど一歩ずつ前へ向かって行くしかないと思っています。何を作るかはその時代によって違ってきますが、作り方は昔からの輪島塗技法を受け継ぎ、これからも変えずにやっていきます。「自分たちが作ったものを、お客様に使ってもらって喜んでいただく」というのが大前提と考えています。これからも良い商品作りに励み、皆様の手に留まったら「慶塚の製品」だと分ってもらえるものを作っていきたいと思っています。

株式会社 慶塚漆器工房

■ 住所/〒928-0079 石川県輪島市鳳至町畠田83-7
■ TEL/0768-22-0019
■ 代表者/慶塚 大
■ 創業/大正8(1919)年
■ 法人化/昭和63(1988)年
■ 業務内容/輪島塗製造・販売

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります