株式会社 カナイワ

鑿井(さくせい)と地盤コンサルタントの技術を融合。環境分野とコスト削減のニーズに対応

普輪崎 賢彦さん[代表取締役]


「お客様と喜びを分かち合う」が創業精神に

大正12年、祖父が金沢市金石町で井戸堀りを創業したのが始まりで私で4代目になります。当時は水に困っていた時代だったそうで、最初はポンプを作っていたのですが、井戸を掘ることを頼まれることが多くなり、井戸掘りを本業にしたと小さいころ祖父から聞かされました。
昔は水が少なく、かんがい用の水も不足していて水を撒(ま)くのにも遠くから運び、用水の水においても取り合いになり、そのたびに争いが起きていたそうです。井戸を掘って最初に水を汲んだときには村中お祭り騒ぎになり、祖父は汚れた作業服のまま宴席の上座に上げられ、村人からすごく感謝されたと言っていました。この時に得た「お客様と喜びを分かち合う」という感動が創業精神になったと聞いています。
その後、昭和の前半まで井戸堀りが専門でした。しかし、高度経済成長とともに、地盤に関する地質調査や建設コンサルタントなど地下に関する様々なニーズが出てきたので、2つのコア技術を融合させて、地下水低下工事、斜面対策工事、地盤改良等に技術を活かしながら、その時代ごとに求められる工事を行うようになってきています。この、長年培ってきた鑿井の技術と地盤コンサルタント、地盤についての解析等の技術を融合しているのが当社の1番の強みで、全国的にみてもこういう事業をしている会社はあまりありません。

役に立つ会社であり続ける

今から約12年前に、これからはどんな時代になるのかなと考えました。そこで環境の時代が来るであろうと思い、また、お客様は何を望むかと考えたなら、コスト削減を求めてくるのではと仮説を立てました。そこで我々が社会のニーズである環境分野、お客様のニーズであるコスト削減に対してどんなことで役に立てるか、それを考えていく中で出てきた答えが、水道料金の削減と燃料費・CO2削減の2つでした。
水道料金の削減方法には、水道を使っている事業者に井戸水を水道の代わりに使ってもらい、より安全により経済的に安く使っていただこうと、地下水処理プラント技術(地下水浄化)の導入を始めました。省エネの部分では、既に確立していた地中熱利用のヒートポンプを使うことによって、大幅な燃料費やCO2の削減ができる技術を活用していくことにしました。今では、土木の分野と環境の分野で、地下の特殊な技術を活かして事業をしており、全ての導入実績において50%以上のコスト削減を達成し、病院やホテル、工場のお客様と喜びを共有することができています。
会社の理念の1つに、「役に立つ会社であり続ける」があります。人に役立つ仕事はなにかと考えた結果、環境の仕事にたどりついたわけです。創業精神の「お客様と喜びを分かち合う」ところや、「面白味や意気に感じる仕事をしたい」というところにおいても、それらがモチベーションとなってこの仕事を始めました。
お客様と喜びを共有できる仕事をしたい、時代に求められる仕事をしたいと考え、我々にしかできない仕事を求めた結果、この環境の仕事にたどりついたわけです。時代ごとに必要な企業であり、人であり続けることを忘れずに、時代のニーズに合わせていくようなことを考えていきたいと思っています。

株式会社 カナイワ

[白山事業本部]
■ 住所/〒924-0028 石川県白山市相川新町728
■ TEL/076-275-8424
[本社]
■ 住所/〒921-8027 石川県金沢市神田2-9-19
■ TEL/076-244-6447
■ 代表者/普輪崎 賢彦
■ 創業/大正12(1923)年
■ 法人化/昭和36(1961)年
■ 業務内容/[建設部門]建設コンサルタント、地質調査、さく井、地盤改良 [環境省エネ部門]省エネコンサルタント、光熱費削減システム、地下水処理プラント

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります