有限会社 エステフーズ ヤチ

創業当初からの原点である豆腐の移動販売に注力し事業を拡大

谷内 孝行さん[代表取締役]


山奥の小さな集落で商売を始め40年以上続く豆腐屋さん

昭和35(1960)年に先々代の祖父が、現在の輪島市の端にある「寺山」という山奥の人口も少ない地域で創業し、当時の豆腐屋の状況と地域の特性から行商を始めました。それが今まで祖父、父が作ってくれた歴史と長所であり、当社の「移動販売」の原点だと思います。
昔は包装技術が悪く氷も作れない時代で、製造した当日に販売しないとすぐに傷むという問題から行商をしていました。それが技術の進歩から保存期間が延び、効率化を求めてスーパーに卸すようになりましたが、商品を卸すだけのメーカーになってしまうと直接お客様の顔は見えません。私が「もっと良いものを作って、もっと喜んでもらいたい」と思うのは、当社の原点である行商でお客様のたくさんの顔が見えるからです。
ラッピングされた移動販売車は現在3台で、ルートも増えたので、もうすぐ4台となります。ラッピング車を走らせると今まで知らなかった人にも認知されるようになり、美容室、個人クリニック、建設会社、飲食店など新しい顧客層も増えました。電話でもいいですし、お問い合わせください。

毎日食べても飽きのこない豆の味がしっかりした豆腐作り

中学3年生の時に高校入試の練習のつもりで陸上自衛隊少年工科学校の試験を受けました。「豆腐屋を継いで欲しい」という親の意志を知っていましたが、家業を継ぐ前に社会勉強も必要だと思い入隊し、卒業後は部隊勤務を経験した後、自衛隊を辞め帰郷しました。
同業者の軒数は20~30年前と比較すると半分以下になっています。市場全体の売り上げはあまり減っていないので、中小の売り上げを大手が奪う状況です。大手の商品は大量生産するため価格は安いですが、日持ちさせるためにボイルするので、豆の風味が失われてしまいます。当社は大手の苦手な国産大豆の高濃度な豆乳を扱い、豆の味がしっかりして飽きにくく、美味しいと思える生豆腐や、充填豆腐を製造しており、使用する豆の種類や、にがりの分量を大切にしています。
日頃から販売員には、「深くお辞儀をすること」それだけを言っています。マニュアルは無く、「買っていただけることが当たり前ではない」ということを自覚し、感謝の気持ちを持って笑顔で接客をすると、自然と売り上げはついてきます。
これから事業を拡大するために【さいはての谷内のおとうふ】のブランディングが重要になります。そのためにシャツ、前掛け、帽子、ロゴ、車のラッピング等を一新しました。見た目だけでなく、思考を体現し商品に落とし込むために、人材の育成をして製造技術を継承しなければならないと思っています。また商品で言えば惣菜やお菓子の開発、販路で言えば金沢地区への進出を考えています。「行動する人が結果を出す」という言葉を信念に、体を動かせば失敗しても必ず得るものがあると考えているので、これからも挑戦し続けたいと思います。

有限会社 エステフーズ ヤチ

■ 住所/〒928-0215 石川県輪島市町野町粟蔵169
■ TEL/0768-32-0251
■ 代表者/谷内 孝行
■ 創業/昭和35(1960)年
■ 業務内容/豆腐製造小売業

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります