むらのもちや

地域伝承の大切な味を次の世代へと残したい 懐かしい味にこぼれる笑顔がうれしい

福池 凡恵さん[若女将] 中谷 進さん[工場長]


おはぎは当地にとって特別 春秋の農事と深い関わり

この能登町柳田地域には、おはぎを春の田植えシーズンの前後に、そして秋の稲刈り後にも食べる習慣があります。昔から伝わってきた作り方を受け継いでいる平均年齢65歳以上の女性を雇い入れ商品づくりに活かしています。そこが和菓子屋さんの「おはぎ」とは違います。習った技も次の世代に残していきたいと思っています。
当地は祭りが多く、昔は各家で赤飯も手作りしていたのですが時代と共に減り、また餅米を耕作する農家も少なくなり身近な行事に使われていた赤飯や慶弔用のお餅が地域の外で作られ食卓にあがっていることに寂しさを感じていました。平成12年、生産者と直結した米屋であることを活かし地元産を積極的に使うことを基本に「むらのもちや」を開業しました。
餅は杵つきで粘りがあって腰の強い餅になるのが特徴です。当初は10月から3月までの餅を作る時期だけ稼動するつもりでしたが設備が大きくなり、おはぎの評判もよく通年生産を行うようになりました。地元の方には「よく買うよ。おいしいよ」「祭りでおたくの赤飯を見るとうれしくなるよ」とご好評をいただいています。

受け継いだ技を伝え地域文化を発信

当社のキャッチフレーズは「能登の恵みをあなたへ」。田舎の人は口が肥えており、おいしいのが当たり前、値段が高いと思えば買ってくれません。地元のおばちゃん達が受け継いできた技、素材の本来の味を活かした商品づくりをしています。添加物を必要最小限にとどめており、なるべく原材料を活かすよう工夫しています。
材料となる餅米は契約農家に栽培してもらっており米、雑穀は能登産とできるだけ地元の食材を使うようにしています。商品は奥能登から中能登エリアまで、各地区1〜2店舗にだけ置くようにしています。金沢には加工餅、のし餅等、日持ちするものを卸します。
「今の若い人はこんなに大きい餅は食べない」という声がある一方、田舎では「これだけの大きさは必要だ」という声も多いです。今風の商品開発も必要ですが、昔ながらの作り方にこだわり「1つでも大きいな」という昔風を残していきたいと思っています。
営業活動は経費面からほとんど行っておらず、都市部に住む奥能登出身者がお歳暮にお使いくださったり、口コミで徐々に全国に広がっており、受注数は年々増加傾向にあります。
私たちが当たり前に思っている物や事を知らない都会の方も多く、今後は地域の技を伝承した商品に加え地域の色々なことも広く発信していきたいですね。目標は、地域の皆さんに認められる味を作り続けていくこと。食べた時に感動してもらえたら何よりうれしいですね。

むらのもちや

■ 住所/〒928-0306 石川県鳳珠郡能登町字石井ト27-1
■ TEL/0768-76-8155
■ 代表者/福池 みち子
■ 創業/平成12(2000)年
■ 業務内容/菓子(おはぎ、桜餅等)・餅製造業

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります