能登ワイン 株式会社

こだわって栽培醸造した能登ワインで能登の里山里海も味わってほしい

村山 隆さん[代表取締役]


濃厚な希少ブドウを育て金賞受賞の快挙

能登ワインは第一号完成が平成18年です。甲信越に社歴数十年のワイン会社がある中で、醸造歴がまだ浅い能登ワインのコンクール連続受賞は本当にうれしいことです。名前が徐々に広がり、飲んでいただける人が増えました。先般の能登空港10周年でも、「能登が世界農業遺産になった中で、“能登ワイン”という名前は響きがいい」とのお声もいただきました。
初めてのコンクール出品は、醸造3年目。ロゼが思いがけなく銅賞をもらい、賞にこだわってみようという試みのきっかけになりました。よりグレードの高いものへの挑戦として、土壌から特別扱いで畑をつくり、房を付ける数もあえて抑え、濃厚な房を育てました。この「クオネス」が2011年に「国産ワインコンクール」銀賞を受賞、今年2013年には念願の金賞をいただきました。穴水の土壌で金賞のワインを造れるんだと、大いに励みになりました。
始める前、ここは一面セイタカアワダチソウが生い茂っていました。検討委員会でも、「成功はあり得ない。絶対失敗する」と強硬な反対意見ばかりの中、町長が「やる!」と推し進めてくれました。受賞によって、重かった責任を果たした思いもあります。

美味しさの秘密はすべて手摘みのこだわり

ワインはブドウのできが8割を占めると言われるほど、原料が大事です。一般にブドウの木の寿命は30年、一番良いのは10年目頃とされ、植えてから収穫安定までの5年間は先行投資です。ここ数年では、白ワイン用のソーヴィニヨンブラン、ナイアガラ、赤のビジュノワールを植えました。
畑も樽も徐々に増やしているので、仕事は増えています。秋の収穫後の剪定作業、真冬は枝おろし、春先には誘引。その他、畑仕事は1年中です。収穫期はパートをお願いし、逆に農家の手伝いにも行きます。一緒に協力し合っています。
収穫はすべて手摘みです。これが、能登ワインが美味しいと好評をいただけている一番の要因でしょうか。機械収穫と違い、1つの房でも熟し過ぎた部分はカットするなど、こだわった細かい仕事をしています。また、ブレンドで生産量の調整をせず、品種名をラベルに表示しているのもうちの特徴です。
会員制度として、以前からの和飲会(わいんかい)に加え、昨年「クオネス」用のヤマソーヴィニヨンの木のオーナー制度をスタートさせました。希望者は作業体験も可能で、収穫ができる3年目からワインをお送りします。会社が10年経ち、ようやく色んな仕掛けを考える余裕が出てきました。
毎年ここで、秋には能登牛、冬には牡蠣で能登ワインを楽しむお祭りをしています。穴水は牡蠣の産地で、生産者さんが処理に困っていた貝殻をブドウ畑の土壌改良材に利用、互いにプラスにもなっています。北陸新幹線の開業も控え、首都圏にもPRし、能登の里山里海から生れた食を存分に楽しんでもらいたいですね。

能登ワイン 株式会社

■ 住所/〒927-0006 石川県鳳珠郡穴水町旭ヶ丘り5-1
■ TEL/0768-58-1577
■ 代表者/村山 隆
■ 設立/平成16(2004)年7月22日
■ 業務内容/生ワイン製造(ワイン専用品種ぶどうの栽培・収穫・醸造)、販売

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります