一夜干工房 海産物ふるくら

色が鮮やかで美味しい干物を作る独自の技術
魚嫌いの子供も食べられる新商品を開発

古倉 信吾さん[代表]


すべてが手作業で一枚一枚丁寧に作った干物

輪島といえば輪島塗で有名ですが、他にも日本三大朝市に数えられる朝市があります。
その輪島の朝市で蒸しサザエ、蒸しアワビ、海藻類、珍味の販売をしています。代々、海女のおばあちゃん達が舳倉島で獲った海産物を冬の間に仕込んで、夏に野菜や米と物々交換したのが朝市の始まりです。現在、朝市へは母が出ています。父、姉、従業員2人と私を含めた5人で海産物の加工をしています。
昨年、父から経営を任されました。私で3代目になります。本来なら魚問屋へ修業に行った兄が家業を継ぐことになっていたのですが、退職する機会を逸してしまい、父の説得もあり勤めていた大手ハウスメーカーを辞めて輪島に帰ってきました。
輪島朝市通りの奥の方、えがらまんじゅうの塚本菓子店の横にふるくらは出店しています。輪島港でその日に獲れたばかりの新鮮な魚を使い、干物づくり、乾物づくりをしています。朝獲れの魚をセリで仕入れ、海女さんたちから伝えられた「魚は育った水にて調理せよ」という教えを忠実に守り、製造しています。「ふるくら」の干物は季節や魚の種類、状態により塩加減を変え、能登沖の海洋深層水を使った体にやさしい干物です。手作業で一枚一枚を丁寧に仕上げ、美味しくできたものだけを販売しています。

安全で家族が皆笑顔になれる商品作りがモットー

魚が嫌いだった子供にどうしたら食べさせることができるかと考え、そこで新商品の開発を思い立ち、石川県の「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」を活用しました。新商品は、鯖とフクラギを片身にして子供が食べやすいように薄腹と中骨をとり除き、味付けをしました。味付けは「子供の好きなもの=カレー」だというので、そこからヒントを得て作ってみようと思ったのです。これまでにカレー味、醤油味、塩味の3種類が完成し、昨年の「しんきんビジネスフェア」で販売したところ、大好評でした。
また、経営者になったからには商品のことだけでなく、お金の管理や帳簿付け、単価の算定方法なども知らないといけないと思っていたところ、興能信用金庫が社長塾を開催していると知り、参加させていただきました。そこで先生から親身に分かりやすく指導していただき本当に感謝しています。ビジネスフェアやセミナーなどに積極的に参加することの大切さを身を持って感じました。
今後も「安全な食品を食卓に、家族で食卓を囲んで皆笑顔になれるように」を願って、商品を作っていくつもりです。現在、工場の新築計画を進めており、高性能乾燥機と大型冷蔵庫を入れて生産量を増やすことにしています。

一夜干工房 海産物ふるくら

■ 住所/〒928-0075 石川県輪島市鳳至町下町134-2
■ TEL/0768-22-7081
■ 代表者/古倉 信吾
■ 創業/昭和44(1969)年
■ 業務内容/海産物加工・販売

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります