合同会社 松寿
元力士が地元宇出津に戻り、漁師を経て飲食店を事業承継 能登の良いものを後世に伝え、食文化を作りたい
家族連れが来やすいお店づくり
合同会社松寿は令和2(2020)年12月に設立し、能登町宇出津港のすぐそばで飲食店、ダイニングバー、鮮魚・精肉小売店の3店舗で事業展開しています。飲食に関しては、祖母と母の代で営んでいた焼肉店を継ぎ、居酒屋に転換して10年間ほど経営していました。その後平成30(2018)年10月に別店舗で「ダイニングバーさくら」をオープン。松寿設立の頃には、「家族連れのお客様が来やすいお店にしたい」という想いがあり、10年間していた居酒屋から再度「焼肉ポンちゃん」として焼肉屋をオープンすることになりました。甥っ子にポン菓子をあげたときに「ポンちゃん!」と喋るのを見て、こんな小さい子供でもはっきり言える言葉なんだと思い、店名を決めました。子供でも親しみやすい雰囲気に注力し、店内もナチュラルな木目と白を基調に作り上げています。当店では、能登牛や宮崎牛の他、上質な肉をお客様からも見えるようオープンキッチンで調理しており、お手頃な価格で提供しています。
相撲界を引退し宇出津に戻る
学校を卒業後は相撲界に入り、しばらく能登を離れていました。引退してからは宇出津に戻り、父の船に乗って漁師をしていました。自分はこのままずっと漁師をやっていくのだと思っていましたが、漁師を始めて半年後に、父親から「店をすればどうや」と言ってもらえたことがきっかけで、実家の店を継ぐことを決めました。相撲界に入って自由にさせてもらった分の親孝行のつもりで、社名の「松寿」は、相撲取りだったときの四股名である「松緑」に由来してつけました。
「ダイニングバーさくら」はカラオケもできて2次会にぴったりなお店です。さくらの店長も相撲界に入っていた同郷の友人で、現役時代は甚句の歌い手だったこともあり、その美声を聴いていただけます。こちらの店名も、店長の四股名だった「能登桜」から付けました。令和5(2023)年1月にオープンした「丸福商店」は、宇出津で唯一、地元産の蟹も扱える鮮魚店で、父の船「松福丸」からつけています。宇出津で水揚げされるいろいろな魚を提供できることが強みです。現在は肉の販売も徐々に行っています。
能登の食文化を後世に伝えたい
地元を出たからこそ、食べ物の環境がとても良いということに気づきました。地元の人たちが当たり前に思っている食文化を多くの人に伝えられるようなお店を作っていきたいです。まずはSNSなどで情報発信を積極的にするようにしていて、今後も商売としてだけでなくもっと広い視野で考え、自分ができる範囲をどんどん広げていこうと思っています。能登にある良いものを後世に伝えていけるよう活動していきます。
合同会社 松寿
■ 住所/〒927-0432 石川県鳳珠郡能登町字宇出津新1字190-7
■ TEL/090-1093-6929
■ 代表者/薮下 哲也
■ 創業/令和2(2020)年
■ 業務内容/焼肉店・カラオケ店・鮮魚精肉店
※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります